遅すぎた出会い

あまりに、俺は由加理に出会うのが遅すぎた。そう、あと2週間早く出会っていれば、前回のポラ申込みは余裕でクリアできたはずだ。少なくとも、俺は前回あの発表があったときに、劇場に居合わせていた人間だ。そして忘れもしない。あの日は俺が由加理に出会ってしまったその日だ。
それ以上に、半年前はもう本当に会いに行こうと思えばすぐに逢えて、容易にコミュニケーションもとれた、その事実が後発ヲタの俺には重くのしかかる。ポラは、俺と由加理とを繋ぐ最後のジョイントチャンスなんだ。もう、このチャンスを逃したら、彼女は遠く遠く遠のいてしまいそうで、怖い。
チケさえとりづらいこの現状は、一体いつになったら打開するんだろうか。もう、250人しか入らない劇場は、彼女たちには狭すぎるんだ。まして、これからチームBが現れれば、ますます公演日数は減り、人は殺到する。そうなれば、もう彼女の顔を見ることすら出来ないかもしれない。
まさか、公演への入場までもが抽選だなんて、そんな世界になってしまうのか。この転売の許されないシステムでそうなってしまえば、もはや某工房のシークレットイベントも同然じゃないか!
・・・話が逸れた上にひどい被害妄想だな・・・。
抽選・・・一応、望みがある以上、そこにかけてみるしかないわけで。それがどんなに細い穴でも、チャレンジしなければ糸は永久に通らないのだ・・・。